重曹水とクエン酸水の使い方 使用期限と長く使えるコツと注意点

掃除

重曹水やクエン酸を水で溶かして作ったものが、1回の掃除で使い切れずに残ることがありますね。

せっかく作ったものを流して捨てるのはもったいないと感じることも。毎回新たに作るのは手間がかかります。

作り置きをしたいけれども、どのくらいの期間保存可能なのか気になるところです。

そこで、おおよその使用期限長持ちさせるコツをご紹介します。

さらに、保管時の注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

重曹水の特徴

重曹は炭酸水素ナトリウムと呼ばれ、自然由来の成分です。

掃除用途のほか、食用や医療用としても利用されることがありますが、掃除用の重曹は食用や医療用と比較して純度が低く、代用は推奨されません。

重曹水の作り方は、水100ミリリットルに対して小さじ1杯の重曹を溶かすだけです。

pHは8.0から9.0で、弱アルカリ性の液体となります。

この液体は、pHが3.0から6.0の弱酸性汚れに有効です。具体的には以下のような汚れが対象です。

場所 主な汚れ
お風呂 皮脂汚れ・石鹸カス・手あか・ぬめり
キッチン 油汚れ・排水溝のぬめり
換気扇 油汚れ
フローリング 皮脂汚れ・手あか
トイレ 黒カビ・ぬめり・尿石
壁紙 たばこのヤニ・油汚れ
ドアノブ 皮脂汚れ

さらに、生ゴミ、排水溝、油汚れの消臭効果も期待できます。

重曹水で汚れが落ちない時は、約60度の温水で使用することで、アルカリ性が強まり、より効果的に酸性の強い汚れを除去できます。

クエン酸水の特徴

重曹と同様に百円ショップでも購入可能なクエン酸は、酸性の成分です。

水100mlに対し、小さじ1杯のクエン酸を加えるとクエン酸水が完成します。

この溶液は強力な酸性洗剤と同じph2.0を持っていますので、ゴム手袋の使用が必須です。

クエン酸水で落とせる汚れ

場所 対象の汚れ
お風呂 蛇口の水あか・鏡の水あか
キッチン 蛇口の水あか・シンクの水あか
ポット・電気ケトル 水あか
加湿器 水あか
食洗機 水あか
トイレ 尿石

クエン酸はアンモニア臭にも効果があり、トイレの消臭や除菌にも役立ちます。

クエン酸の使用時の注意点

  • 塩素系漂白剤とは混ぜないこと
  • 大理石や金属に使用すると変色する恐れがある
  • 湿気に弱く、カビが発生しやすい

重曹水・クエン酸水の使用期限

日常的に利用される重曹水やクエン酸水ですが、多くの方が水道水を使用して作ることが一般的です。

ただし、水道水にはナトリウムやカルシウム、マグネシウム、カリウム、ケイ素といった多くのミネラル成分が含まれているため、これらの成分が菌の増殖を助ける可能性があり、長期保存すると使えなくなります。

また、ミネラルウォーターを使用する場合でも、内容成分には水道水と同様にカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが含まれており、その点での違いはほとんどありません。

そのため、ミネラルウォーターを使用しても保存期間は変わらず、下記の使用期限が推奨されます。

水道水を用いて重曹水やクエン酸水を作る場合、その使用期限は次のようになります。

重曹水の使用期限は約2ヶ月

重曹は掃除だけでなく、食用としても用いられる天然の素材ですから、使えなくなる心配はありません。

湿気が多い環境では固まりやすいですが、使用には支障を来たさないでしょう。

クエン酸よりも腐食性が低いため、保管の目安としては最長で2ヶ月程度が良いでしょう。

クエン酸水の使用期限は約2~3週間

重曹に比べて分解しやすいため、2~3週間が目安です。

クエン酸ジェルは当日中に使う

お風呂の鏡や蛇口など、曲面や凹凸がある部分に有効なクエン酸ジェルですが、作成後は冷めてとろみがなくなるまでの間に使用することが大切です。

つまり、それは当日中に使い切る必要があるということです。

クエン酸ジェルの作り方は以下の通りです。

  • 水:105g
  • クエン酸:3g
  • 片栗粉:10g
  • 食器用洗剤(中性か弱酸性):2g

以上の材料を鍋か電子レンジで温めます。

このジェルは汚れに密着しやすい特性がありますが、冷めて片栗粉がサラサラとなる前に完全に使い切ることが推奨されます。

重曹水・クエン酸水を長持ち・さらに強力にする方法

重曹水やクエン酸水を長持ちさせるためには、分解を防ぐことが必要です。

作り方としては、通常の水道水やミネラルウォーターの代わりに精製水を使用することで、保存性が向上します。

精製水はドラッグストアなどで購入可能です。

精製水の使用期限は製品によって異なり、6ヶ月から3年と幅広いです。

掃除用途であれば期限をそれほど厳しく考慮する必要はありません。

精製水を使用するデメリットとしては、コストがかかることが挙げられます。

市場価格は500mlあたり600円から900円程度です。

しかし、精製水のメリットとしては、不純物が含まれていないため、水道水を使用するよりも洗浄力が向上することがあります。

加えて、重曹を更に強力にする方法として、重曹を加熱することによってpH値を上げる方法も存在します。

精製水を使用した長期保管のポイント

2ヶ月以上もの長期にわたって精製水を保管する場合、使用する容器の選択に注意が必要です。

重曹水のpH値は8.0~9.0で、弱アルカリ性ですので特に問題はありません。

一方、クエン酸水のpH値は2.0と、非常に強い酸性を示します。

これは強力な酸性洗剤と同じレベルの酸度です。

市販の強アルカリ性または強酸性洗剤は、その容器も耐久性に優れた素材で作られています。

安全性の確保のため、これらの製品に認められた容器を使用しています。

しかし、これらの容器が手元にないからといって、100円ショップで購入したスプレー容器に保管することは避けてください。

容器の変色や変形、クエン酸水の漏れ出し、洗浄効果の低下が発生する恐れがあります。

長期間保存したい場合は、使用済みの強酸性洗剤の容器を再利用することが推奨されます。

これにより、安全かつ効果的に精製水を保管することが可能です。

まとめ:なるべく使いきる量を作ること

水道水やミネラルウォーターには不純物や微生物が含まれているため、自作したの溶液の保管期間は限られます。

重曹水は最大2ヶ月クエン酸水は2~3週間保管可能です(クエン酸ジェルはサラサラになる期間まで)。

長期間保存するためには、化粧品や医療機器にも使用される精製水の使用が推奨されます。

精製水は割高ですが、不純物が含まれていないため保存期限を気にせずに使用可能であり、洗浄力も水道水に比べて高くなります。

ただし、クエン酸水を保管する際は、容器選びが重要です。

不適切な容器を使用すると、液漏れや変色・変形の原因になることがありますので注意が必要です。

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