ステンレス鍋を使用していると、内側が虹色に変色することがあります。
多くの方が気づかずに使用を続けていることが多いですし、食器用洗剤で洗ってもその変色が消えないため、鍋自体が損傷してしまったと考えがちです。
それでも、見た目を美しく保ちたいと感じる方のために、簡単な解消方法をご紹介します。
酢やクエン酸を使えば、鍋は手軽に元の状態に戻ります。
ここでは、虹色に変色する原因と共に、3つの具体的な解消方法を詳しく解説します。
鍋の内側が虹色に変色する原因
ステンレス製の鍋は、その表面が「クロム」という成分で構成された薄い酸化被膜で覆われており、これがサビに強い特性を持っています。
鍋の内側が虹色に見える現象は、ステンレスが変質したわけではなく、水中のカルシウムやマグネシウム、ケイ素、イオンなどのミネラルが蒸発して酸化被膜に付着した結果です。
これらのミネラルが酸化被膜に付着すると、乾燥した状態では水垢のように薄く虹色に見えますが、水を加えるとその色が消えて見えなくなることがあります。
特に新品の鍋でこの現象が見られやすいとされています。
虹色に変色した部分を消す3つの方法
変色した部分を元に戻すためには、クエン酸または酢を使用します。
虹色に変色して間もない時は、拭き取るだけで簡単に消えることが多いです。
しかし、時間が経過してからの変色の場合、つけ置きや加熱が必要な場合もあります。
消す方法は以下の3つ
- クエン酸水、または酢で拭き取る
- 食器用洗剤とクエン酸、または酢を少量混ぜて使用
- 鍋に水とクエン酸を入れて煮る
クエン酸水、または酢で拭き取る
変色した部分が新しい場合、クエン酸水や酢を使って拭き取ると効果的です。使用する布はタオルなどがお勧めです。
クエン酸水を作るには、水200mlにクエン酸5g(小さじ1杯分)を加えてよく混ぜるだけで完成します。
食器洗剤とクエン酸、又は酢を少量混ぜて洗う
食器用洗剤に含まれる界面活性剤とクエン酸や酢を組み合わせることで、カルシウムやマグネシウムなどの変色の要因となる成分に浸透しやすくなり、汚れが落ちやすくなります。
洗剤は、弱アルカリ性のものを使用すると中和反応により洗浄力が低下してしまうため、中性または弱酸性の食器洗剤の使用をお勧めします。
また、水は少量の方が洗浄効果が高まります。
鍋に水とクエン酸を入れて煮る
虹色に変色した後の時間が経過するほど汚れの除去が難しくなりますが、熱と浸け置きによってその効果を高めることができます。
クエン酸水を作るためには、水500mlに対してクエン酸15g(大さじ約1杯)を鍋に入れて溶かすのが一般的な比率です。
水が沸騰するまで加熱し、沸騰した後は温度が下がるまで放置します。
クエン酸の代わりに同量のお酢を使用することも可能ですが、お酢を加熱する際は強い匂いに注意してください。
使用時の注意点
つけ置き時間が長すぎると、サビの原因になります。
クエン酸水や酢で拭き取った後も同様に、成分が残った状態なため、食器用洗剤で洗い流すことが必要です。
使用前後:クエン酸水をスプレーして拭き取るだけ
全体にクエン酸水をまんべんなくスプレーしました。
次に、タオルやキッチンペーパーを使って優しく擦りながら拭き取りました。
普段使いの食器用洗剤でしっかりと洗った後、水気をしっかり拭き取り乾燥させました。
これらの簡単なステップだけで、虹色に変色していた部分が綺麗に消えました。
電気ケトルの底も同じ(専用の洗剤は割高)
鍋の変色と同様に電気ケトルの底部分も虹色になることがあります。
市場には専用の洗剤が存在し、使用経験のある方もいらっしゃるかと思います。
この専用洗剤について少し詳しく見てみましょう。
専用洗剤の中身を調べてみると、その主成分はクエン酸のみで構成されています。
内容量は15gが3袋入り、合計で45g。
価格は約300円となっています。
対して、クエン酸は、同程度の価格で300gという量が提供されており、約6.6倍の量です。
これによると、専用洗剤は相当割高なことがわかります。
同様の製品には、「ポット洗浄剤」もあります。
クエン酸、家庭の万能クリーナーとして注目
クエン酸は酸性の性質を持つため、特にアルカリ性の汚れを効果的に除去します。
最近、色が変わってしまった鍋を元に戻すために使用しましたが、それ以外にも水垢の除去や石鹸カスのクリーニング、トイレの消臭にも大変有効です。
重曹との併用は、家庭内の様々な掃除にコストパフォーマンスも良く、大変便利なアイテムとなっています。